副業で個人事業主になるには?
なった方がよい場合やメリット・デメリットを解説
副業解禁をきっかけに、副業をする人は増えています。なかには副業で個人事業主になろうかと考えている人もいるのではないでしょうか。副業で個人事業主になるメリット・デメリットや、なるのに必要なステップ、どのような仕事で個人事業主になることができるのかについて解説します。副業で個人事業主になる場合には、ぜひ参考にしてみてください。
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- 副業で個人事業主になる
- 副業とは
- 個人事業主とは
- 事業所得がある場合は基本的に開業届が必要
- 就業規則で副業が禁止されている場合もある
- 副業として個人事業主になるメリット
- 収入を増やせる
- お試しとして安全にスタートできる
- 青色申告にすれば節税効果が大きい
- 屋号をつけられる
- 副業として個人事業主になるデメリット
- 確定申告は楽ではない
- 確定申告で会社に副業が「バレる」可能性がある
- 休める時間が少なくなる
- 失業保険がもらえない
- 個人事業主になるためには
- 税務署に開業届を提出する
- 青色申告をする予定の人
- 副業として個人事業主になれる職業とは
- 物販
- 国内向け物販
- 海外輸出(越境EC)
- ライティング
- アフィリエイト
- 宅配
- 写真撮影、コンサルティング、Webデザイン、ITエンジニア、翻訳など
- まとめ
副業で個人事業主になる
会社員として働きながら、副業で個人事業主として活動することは可能です。ここでは、副業における個人事業主について解説します。
副業とは
副業は本業以外に行う仕事のことです。具体的には、本業の就業時間外に自分でビジネスを立ち上げる、アルバイトをするなどです。 2018年に厚生労働省のガイドラインで、副業禁止の文言が廃止されました。また、新型コロナウイルスの影響により収入が減少した人、在宅勤務になり自由時間が増えた人が副業を始めるケースも多くみられます。副業で目指すものは収入だけではなく、個人のスキルアップややりがいということもあります。
個人事業主とは
個人事業主とは、法人を設立せず事業収入を受け取っている人のことを指します。アルバイトなどで雇用されて得た収入は事業収入ではないため、個人事業主にはなれません。不動産収入や、フリーランスが業務委託で受け取った収入などが事業収入です。また、法人として登記していなければ、従業員がいる場合も個人事業主です。 法人は法人登記や定款の作成が必要で、20万円以上の費用がかかります。しかし、個人事業主の場合は、税務署に開業届を提出するだけですぐに開業可能です。この時に手数料はかかりません。
事業所得がある場合は基本的に開業届が必要
会社員などの場合、副業で得られる収入は雑所得として扱われることがほとんどです。雑所得であれば事業所得にはならず、開業届は必要ありません。しかし、副業であっても、継続的に収入が得られる、営利目的であるなど、事業所得と判断できる場合は開業届を出さなければなりません。 副業で毎月安定した収入が得られるようになった場合は開業届を提出し、個人事業主になることを検討してもよいでしょう。
事業所得としてみなされるような収入があったにもかかわらず、開業届を出さなくても罰則等はありませんが、必要な確定申告を行わなければペナルティが発生します。
就業規則で副業が禁止されている場合もある
会社によっては、就業規則で副業が禁止されている場合があります。法律で副業は禁止されていませんが、副業を禁止しても問題はないとされています。就業規則を破って副業すると、減給や懲戒免職の対象になる可能性もあります。そのため、まずは副業可能かどうか、必ず就業規則をしましょう。
副業として個人事業主になるメリット
副業でも開業届を出して個人事業主になると、さまざまなメリットが得られます。どのようなものか、詳しく見ていきましょう。
収入を増やせる
本業にプラスして副業をすると、単純に収入を増やすことができます。今は物価がどんどん高騰していますが、給料は思うように上がらないという不満の声が多く聞こえてきます。そのような困難の時代でも、収入源を多く持っておくと心にゆとりを持てるでしょう。また、突然のリストラや自己都合で会社を退社する場合にも、副業で収入を得られていると金銭面で安心です。
お試しとして安全にスタートできる
何か別分野の仕事に挑戦したいと思った時、副業からスタートすることで「お試し」として様子を見たり経験を積んだりすることができます。独立を考えているなら、副業としてスタートして徐々に本腰を入れていき、軌道に乗ってから起業することもできます。会社を辞めてから起業したり、未経験の分野に転職したりとなると時間がかかり収入面でリスクがありますが、副業として少しずつトライしていくことでリスク低減につながります。
また、個人事業主の場合は第1号被保険者となり国民年金に加入する必要がありますが、会社員をしながら副業として個人事業主をする場合には、第2号被保険者として会社の厚生年金に加入しながら活動できますし、社会保険にも入れてもらえます。個人事業主としてだけ働くよりも、将来受給できる年金の額が大きく変わるので、こちらも大きなメリットと言えるでしょう。
青色申告にすれば節税効果が大きい
基本的に、会社員として得られる給与以外の所得が年間20万円を超えると、確定申告をしなければなりません。開業届を出していない場合は個人での確定申告しかできませんが、個人事業主になると確定申告で青色申告ができるようになり、単式簿記で10万円、複式簿記で55万円の控除が利用できます。(税制改正により、令和2年度の確定申告からは青色申告特別控除額が最大55万円となりました。e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行うと、改正前と同額の65万円の控除が受けられます。)
青色申告には特別控除だけでなく、給与所得との相殺ができるなど多くのメリットがあります。白色申告の方が単式簿記のため、簡単に申告できると思われがちですが、帳簿をつける手間は青色申告とそこまで変わりません。
また、副業の売上につながる経費であれば計上することができます。収入から必要経費を引き、最大65万円の控除分を引くことで所得額が減るので所得税を節税できることにつながります。
青色申告の節税効果は高く、開業届を出すメリットといえるでしょう。
※参考:確定申告について:国税庁サイトより
屋号をつけられる
開業届を出せば、個人で行っている事業に対して屋号がつけられます。屋号とは個人事業主がつける企業名のようなものです。法人用銀行口座の名義を屋号にして開設もできます。ただし屋号は必須項目ではなく、つけずに本名で活動しても問題ありません。屋号は基本的に自由ですが、○○株式会社のように法人と間違えやすいものはつけられないため、注意してください。また、自身のウェブサイトを立ち上げる場合にも屋号があると、本名を載せずに屋号を載せられるので、個人情報を守ることもできます。
副業として個人事業主になるデメリット
副業で個人事業主になると、多くのメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。それらもしっかりと踏まえた上で、個人事業主になるべきなのか検討してください。
確定申告は楽ではない
たとえ最近は便利な会計ソフトがあるから簡単になった、とは言っても、やはり全く簿記の知識がない状態で一から帳簿付けをするのはなかなか大変です。それは複式簿記が必要な青色申告であればなおさらです。経費に計上するための領収書を集めて記帳したり、売上を計算したり、書類をまとめたりという作業を定期的に行わなければならず、その作業のために無給で時間を捻出しなければなりません。
また令和2年度からは青色申告特別控除額を65万受けるためにはe-Taxまたは電子帳簿保存を行うことが必要になりましたが、e-Taxで確定申告を行えるのは便利な反面、税務署の担当者に質問しながら行うことができないので、自分で調べたり、青色申告会に入ったり、場合によっては税理士にお願いしたりという必要も出てくるでしょう。そして、e-Taxで書類提出が必要なくなったとはいえ、取引に関連する書類や帳簿などは5年ないし7年保存する義務があります。
副業をお小遣い稼ぎ以上に考えているのであれば、確定申告は決して楽な作業ではないので、それなりの覚悟も必要でしょう。
※参考:記帳や帳簿等保存・青色申告:国税庁サイトより
確定申告で会社に副業が「バレる」可能性がある
本業の勤務先に秘密で副業をし、所得が20万円を超えて確定申告した場合、企業に副業が知られてしまう可能性があります。それは、住民税の納税額が本業+副業の収入金額に対して決められるからです。通常、確定申告を行い納税額が決定すると、自治体から勤務先企業に特別徴収税額決定通知書が送付されます。それを見た会社の給与計算担当者が、「この人、会社からの給料に対して払う住民税があまりにも高いな…」と気づくと、そこから副業が判明してしまうケースは多々あります。ですからトラブルにならないためにも、所属企業の就業規則で副業が認められていることを必ず確認してから始めることをお勧めします。
休める時間が少なくなる
顧客対応がある仕事だと、急なトラブル対応が発生するケースがあるかもしれません。取引先の企業から急な仕事が舞い込んでくることもあるでしょうし、もっと売上を伸ばしたいからと、つい夜間や休日まで仕事してしまう人もいるでしょう。自分で副業の業務量をコントロールできないと、睡眠不足や過労になり、本業に集中できなくなってしまうリスクがあります。また、副業からいずれは独立して自由な時間を手に入れたい!とスタートする人も多いですが、終わりがない仕事だとつい没頭してしまい、気がつけば自分や家族との時間を犠牲にしてしまっていたというケースもあります。スケジュール管理をきちんと行い、仕事量を調整するスキルが必要になってきます。
失業保険がもらえない
万が一本業の仕事を失った時、通常であれば失業保険が適用されます。しかし、個人事業主として開業している状態だと、無職状態とは呼べないため、失業保険を受け取ることができません。受給するためには、廃業届を出す必要があります。
個人事業主になるためには
個人事業主になって青色申告をするためには事前の手続きが必要です。その流れを見ていきましょう。
税務署に開業届を提出する
個人事業主になるためには、開業届を自分が納税する税務署に対して提出する必要があります。開業届のフォーマットは税務署に用意されていますが、国税庁のホームページからもダウンロード可能です。自宅でプリントして税務署に直接私に行くほか、郵送でも提出できます。
インターネットのe-Taxを利用すれば、ネット上でも開業届を提出できます。開業に必要な審査もないため、書類に不備がなければ開業届は問題なく受理されるでしょう。
※参考:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
青色申告をする予定の人
青色申告したい人は、開業届と同時に青色申告承認申請書の提出をしましょう。青色申告承認申請書を提出しておかないと青色申告はできません。
また、従業員がいる場合は青色事業専従者給与に関する届出書も提出しましょう。そのほか、給与を支払う店舗や事務所がある場合は給与支払い事務所等の開設届出も必要です。該当する人は、これらの申請書や届け出を忘れないようにしましょう。
※参考:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
副業として個人事業主になれる職業とは
アルバイトやパートなど、従業員として雇用されて給与所得を得る仕事では個人事業主にはなれません。ここでは、個人事業主になれる(=事業所得を得られる)仕事例をいくつかご紹介します。
物販
物販は商品を仕入れ、それよりも高い金額で販売することです。隙間時間に作業できるため、忙しい会社員でもできる副業として注目されています。インターネットを活用すれば、商品発送以外を全て自宅で完結させられます。原価が安い商品を海外から仕入れて売るなど、海外商品の仕入れもおすすめです。
国内向け物販
日本国内で仕入れたものを日本国内で販売する国内向け物販はハードルが低く始めやすい副業です。フリマアプリやネットショップ、ネットオークションなどを活用し、発送を国内限定にして販売します。国内であれば流行も読みやすいため、人気の商品を把握できます。購入者とのやり取りもスムーズにできるでしょう。
海外輸出(越境EC)
日本国内で仕入れた商品を海外に輸出する方法もあります。商品の発送地域を日本国内に限定するより、顧客の幅や数が増えるため、売上アップを狙えるでしょう。日本でしか購入できない商品は海外居住者にとって人気が高く、販売しやすいともいえます。
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ライティング
文章を書くのが得意な方であれば、フリーランスのライターとして活動することも可能です。今は外部のライターにブログやウェブページの文章を委託する企業も増えてきたので、自身で企業に営業をして案件を受注する方法もありますし、クラウドソーシングのサイトに登録して案件を探してみても良いでしょう。
アフィリエイト
アフィリエイトは自身のブログやWebサイトに広告を貼り、ユーザーが広告をクリックする・商品を購入するなどの成果に応じて報酬が得られる仕組みです。就業時間外の短い時間でも取り組みやすく、副業しやすい仕事です。
しかし、自身のブログやWebサイトの訪問者が少なければまとまった収入にはなりません。確実に収入が得られるわけでもなく、長時間かけても報酬が少ないケースも多いでしょう。
宅配
テイクアウト商品のデリバリー、委託の宅配ドライバーなども個人事業主になれる職業です。業務時間外のみを使って働けるため、副業としてこれらの職業に就く人もいます。ただ、副業の場合は時間が限られているため、自宅や会社から離れた場所では働きにくいでしょう。そのため、近所の人や同僚に働いているところを見られるかもしれません。
写真撮影、コンサルティング、Webデザイン、ITエンジニア、翻訳など
その他、自身のスキルを活かして事業所得を得られる仕事はたくさんあります。写真が得意な方は、撮影した写真を販売することができます。専門的な知識をお持ちの方であれば、コンサルティングをすることができますし、Webデザインができる方ならウェブページ作成、語学が得意な方は翻訳者として、すべて企業に属さず働くことが可能です。前述したクラウドソーシングサイトなどに登録すると、スキルや条件に合わせて案件を探すことが可能ですし、自身でウェブサイトを立ち上げてサービスを提供することもできます。これまでの経験や本業でのスキルを活かして、色々トライしてみてください。
まとめ
会社員が副業でより稼ぎたい場合、個人事業主として開業届を出すと節税面や信頼性でメリットがあります。ただし、就業規則で禁止されている場合、副業はできません。就業規則はそれぞれの企業で内容が違うため、自身の所属企業のものをきちんと確認してみましょう。また、多くのメリットがある半面、デメリットももちろん存在するため、事前にきちんと知った上で開始しましょう。
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